経営者インタビュー 「未来の社会を笑顔にする会社」
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親子をつなぐ学びのスペース リレイト 代表 / 国際二宮尊徳思想学会常務理事 中桐 万里子

二宮金次郎が言っていた「働くことで元気になる」という事

■事業について

私達の事業であるリレイトは子育て支援です。
元々学校の先生方のコンサルタントだったのがきっかけでした。
その中で、「親は誰に悩みを相談するの?」という疑問が
生まれました。親は甘えるなと言われることが多いかも
しれませんが、私たちの取組で親が少しでも安心感を
持ってくれたら幸せです。親が自信や安心感を持つと
子どもの希望や笑顔につながると思うからです。

さらにその子どもの笑顔が大人の自信につながるんだと思います。
大人って意外と「育て方あってるのだろうか?」と感じたり、
少しうまくいかなかったら「間違っていたのかな?」と
不安になったりしながら頑張っているのではないかと思います。
昔ならおじいちゃんたちの「生きてるだけでいいんや」って。
その一言で救われたのかもしれませんが・・。

■目指す未来

私が目指す未来は、みんなが自分の良心に忠実であり、
自信や希望を持って、自分のフィールドで力を尽くしていける
世の中です。自信があったら簡単には諦めません。

私は親や祖父母から、「自分に忠実に、良心に忠実であれ」と
言われ続けてきました。何か悪いことしても「報告しなくてもいい。
あなたがそれでいいと思うなら。」と。正しいことは
本来自分の良心が知っていると言うわけです。でもそれって
ある意味ものすごく厳しいこと。みんなが良心に忠実に
頑張っていけばいい。人がどうとかではないと思います。
例えば、「おたくのお子さん変じゃないですか?」と
言われても動揺せず、自分の良心で子どもをみて、自信を持って
育てていけるような世の中になったらすてきだと思います。

■眠っている力こそが無理の無い生き方

事業や講演等を通じて日本人が本来持っている力を呼び覚ましたいと
感じています。それによって無理の無い自然で穏やかな生き方に
なると思います。日本は科学が入ったのに、
決してものを「物質」と捉えるだけじゃなく、
「魂が宿っている」と感じたりするわけでしょ?
科学と非科学を両立させて考えられるのは、
世界でも日本人だけみたいです。

金次郎は、魂が宿り存在しているあらゆるものに感謝して、
その感謝を力に頑張ろうと呼びかけ、それを「報徳」と呼びます。
でも海外の方には、それは理想論だから、もっと現実的な生き方を
教えてくださいと言われます。だけど私から言うと、
報徳こそ日本人らしい現実味を帯びていて、
その生き方の方がスムーズだし、楽だと感じます。

だから私はうまくいかないと報徳に戻ります。これが昔ながらの
日本人の生活の知恵だったのではないでしょうか?

金次郎と学者との違いは、学者は理屈ありきの実践。
彼は実践を言葉や理にしている。それが本来の知恵
なのかもしれません。ただの空論ではなく、実践やカタチが
ともなってはじめて知恵になるということでしょうか。

■働く目的はお金ではない

金次郎は実践を大事にしました。実践したり動いたりすると
疲れそうですが、動けば逆にエネルギーがたまると言うんです。
動くのは消費ではなく生産だと。動けば何かが生まれる。
二宮金次郎が言っていた「働くことで元気になる」というのは
本当だと感じます。

私の父は常に「一生暮らせるだけのお金が宝くじで当たっても、
仕事はやめない」と言ってました。
生活のために犠牲を払うというより、自分が仕事をすると
社会に対して誇りが持てる、生きている意義や手応えが感じられる、
仲間ができる・・。そんな風に、動くことでなくすものではなく、
生まれるものがあることを実感していたんだと思います。

■持続可能より永続

浅田真央ちゃんが金メダルを獲ったのにも関わらず、
「まだまだできたはずだ」と言っていたことがあります。
だれかと争い合うとか競い合うとかではなく、
『自分と戦う』ということは大切な事だと思います。
競争の考え方では社会は永続しないと思います。
あと、最近よく聞く『持続可能』って言葉は現在の延長でしかないので
ちょっと消極的にも感じます。
『永続』とか、もっともっと良くなっていくんだっていう言葉が
大切だと思います。

■小学生にも報徳が伝わった

報徳というひとつの日本人らしい発想について語る場を
いただくことに感謝しています。

最初は、小学生には難しくて伝えられないかなと思っていました。
けどみんな集中して最後まで喰らいついて聞いてくれるんです。
この間、小学校3年生が報徳の話を聞いて、
「よくわからなかったけど、すごくいい話を聞いた」と祖父母、
両親に伝えてくれたんです。次の日その子のおばあちゃんから
その話を聞いてすごく嬉しかったですね。

■主体性を持つ大切さ

金次郎は、人を助けるとは、何かを与えることじゃないと言います。
与えるほどに「まだ足りない!」「もっと」と不満が出ます。
なぜか。与えるとはある意味で傲慢な行為だからです。
どこか相手を軽くみて、受け手に閉じ込め、相手の尊厳を
奪う行為になり得ると金次郎は考えていました。
それより、まずは与えることも大事かもしれないけれど、
与えたことで今度は相手自身が主体性をもって、自分なりに働き、
何かを生み出し、人としての誇りや喜びを体験できるよう
押し出すこと。それこそが大事な支援であり、助けることだと
言うのです。助けられた人・与えられた人は、
今度は助ける人・与える人になるということです。

人が人を助け、助けられた人が今度は助け手になるという
昔からある基本的な仕組みが必要なのでしょう。
ただ単に弱者に何かを与えるだけでは様々な問題が蔓延します。

■震災を未来の笑顔につなげる実践

日本は世界大戦や経済成長など色々なことがありましたが、
日本人の心の種火は消えてはおらず、今回の大震災を通じて、
その種火にポッと火がついたのではないでしょうか?
人の喜びを大切にするとか、人のものを奪ってでも幸せになろうとは
思わないとか、本当に大事なことは何かとか・・。
震災は、そんなことをあらためて考える機会でした。
そう考えると、震災が未来の笑顔を作っている可能性もあります。
今こそ自分たちがどう実践するか。

震災のことは、かならず未来の子どもたちが振り返る
歴史的な出来事になるでしょう。
その時に、誇りに思ってもらえるような生き方を
選択するべきではないでしょうか。私達の実践を
未来の子どもにつなげるんです。未来の子どもたちの
希望につなげる生き方をしていきたいと私は思っています。

中桐 万里子 さんのMERRYメッセージ
http://justsmile-merry.com/?s=9650

取材 : 森田 大輔、加藤 秀俊 ▲PAGE TOP